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中国デモが反日から反政府へ

中国デモ 反日 徐々に 反共化
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2010102602000026.html?ref=rank

 【北京=安藤淳尖閣諸島の領有権問題をきっかけに、中国内陸部で二週続いて発生した反日デモ。国民の不満は「言論の自由」がないことなどに向かい始め、「反日」の名を借りた中国政府批判が強まっている。
 デモ参加者らは、反日スローガンを叫ぶ一方、中国の住宅価格高騰や共産党一党独裁体制への疑問も訴えている。中国当局は今後、抗議デモ封じ込めを徹底させ、中日首脳会談開催による関係改善を模索するとみられるが、「反日」が容易に「反共」に向かう中国情勢の危うさも浮き彫りにした。
 四川省徳陽市で二十三日に起きたデモは、約百人の学生らが「日本製品をボイコットせよ」などと叫んでいた。デモ隊は約三十分で解散したが、この動きに触発された千人を超える市民らが道路を封鎖し、警官を取り囲むなど二時間近く緊迫感に包まれた。
 陝西省宝鶏市の二十四日のデモは、反日スローガンのほか、「マンション価格に抗議」「(独裁ではない)多党制を採用せよ」「馬英九台湾総統)兄さん、人民はあなたを歓迎する」との横断幕も掲げられたという。
 反日デモについて、中国メディアはほとんど伝えていない。
 ただ、共産党機関紙「人民日報」のウェブサイト人民網は二十四日になって評論を掲載。「私たちはいろいろな矛盾と問題を抱えている」とし、「理性を持って愛国の熱情を表現できなければ、人民は安心して暮らせない」と懸念を示した。中国当局は、デモ頻発が社会不安につながる危機感を抱き、大勢の若者が閲覧するネット上で、自制を呼び掛けたともいえる。
 だが、評論が転載された大手検索サイトの掲示板では、「宝鶏の勇士の行動こそ人民日報の社説に反映されるべきだ」「われわれを愚弄(ぐろう)する人民網こそボイコットだ」などと、政府批判が渦巻いている。

 今後、中国人民の意志は反日から反政府へシフトしていくかもしれない。その過程で、中国政府は批判を押さえ込むために、ガス抜きとして一層反日を煽ることになるだろう。だが、それによってデモが大規模化し、そこで突然反政府にシフトすれば、どのようなことになるのか。あるいは、反政府にならないとしても、反日憎悪が肥大化しすぎれば、どうなるか。
 考えられる可能性の一つは、革命である。これは支那史でも世界史でも珍しい話ではない。ただ、近代的な軍隊と民衆が戦って、民衆が勝てるとも思えない。革命が成功するとしたら、軍や、あるいは政府の一部も、民衆の革命勢力と結びつく場合だろう。世襲北朝鮮ですら、権力継承には危険が伴う。まして世襲でない中国では、激しい権力闘争があるはずだ。
 もう一つの可能性は、台湾戦争、もしくは日中戦争の勃発である。「馬英九兄さん」がいる限り、中国人民は民主化の希望を持つ、と中国政府が判断すれば、中国の威信のために、反政府のガス抜きのために、民主主義への希望を断ち切るために、中国は台湾に侵攻し、併合しようとするかもしれない。また、反日を煽りすぎて、日本へ侵攻しなければ革命が起きそうな状況になる可能性もある。それに、そもそも台湾も日本も「中華帝国」の領土であると考える者もいるかもしれない。
 中国共産党は常に国内の矛盾による圧力を受けている。解決法のひとつは自由化だが、それは更なる自由を呼ぶ結果となり、共産党支配が崩壊することになる。もう一つは締め付けだが、それだけでは人民の間で不満が高まる。そのため、戦争によって憎悪の対象を他国に向けさせ、勝利によって政府の威信を高めようとするだろう。
 無論、もし本当にそうなるとしても、その時期は遠い将来である。と言っても、10年か20年程度だろう。今の中国は、軍事力や経済力の強化も含め、様々な方面で戦争準備を進めている。もし実際に軍事力を行使する場合でも、今すぐはありえない。10年か20年で、その準備は完成するだろうし、その頃には経済が停滞するかもしれない。また、それによって人民の政府批判が強まるだろう。つまり、中国経済の成長が停滞し始めたら、危険な秋(とき)であると言えるだろう。
 中国の今後の情勢について、確実なことは何も言えないが、21世紀の前半に革命か戦争が起きるのは間違いないように思う。よって日本の国際戦略は、中国情勢の分析を最重要課題とする。