人権擁護法案マガジン・ブログ版

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book

君たち、どうする?(小野田寛郎)

小野田さんが主催している小野田自然塾や、小野田さん自身のことがよく分かる、非常に多くの示唆が含まれている本。自然塾や子供の頃の小野田さんの話から、教育はどうあるべきかということが実践的に明らかになっている。 例えば小野田さんの母が、万が一に…

小野田寛郎の終わらない戦い(戸井十月)

小野田少尉は戦前の日本人を剥製にしたようなところがあるかもしれない。それは日本が停戦した後も30年近く戦い続け、「戦後日本」と無関係に、いわばタイムカプセルとなって、一度日本に帰還されてもすぐにブラジルに移住されたからだ。しかしながら、こ…

徳川家康(松本清張、講談社火の鳥伝記文庫)

講談社火の鳥伝記文庫は子供向けの伝記シリーズである。しかし大人が読んでも学ぶべき点は多く、手軽に読めるという利点もある。特にこの松本清張が書いた「徳川家康」は、ページ数も多く読み応えがあった。 いかにして、空前絶後の平和な徳川時代は築かれた…

吉田松陰(福川祐司、講談社火の鳥伝記文庫)

子供向けの伝記文庫だが、とてもよくまとまっており、大人が読んでも楽しめる良書。新たな発見、考えさせられることがたくさんあった。読んでいて何度も涙が出そうになる、非常に感動的な本である。著者の力量が窺える。一度読んでみて損はないと保証する。…

氷川清話(勝海舟)

もし勝海舟が現代に生きていたら、混迷する政治を、そして世界をどのように変えていくだろうか。 これは、知らぬ者は居ない、あの勝海舟が語った短い談話を集めた本だ。どうでもいいような話、細かくて全然分からない話、そういったものがないわけではない。…

道徳の教科書・実践編(渡邊毅)

「現代語抄訳 二宮翁夜話」「道徳の教科書」「愛国心の教科書」の著者・渡邊毅さん(中学校教師)の新著。今回の本もなかなか素晴らしい内容だった。 「道徳の教科書」を使った授業実践記録であり、似た本として「学校でまなびたい歴史」(齋藤武夫)、「先…

啓発録―付 書簡・意見書・漢詩(橋本左内)

橋本左内、号は景岳であり、吉田寅次郎「松陰」先生と同じく、号で橋本景岳先生と呼ぶことにしている。西郷さんは「一番尊敬していたのは、先輩では藤田東湖、同輩では橋本景岳」と言っており、西南戦争で死んだ時も、景岳先生からの書簡を持っていた。また…

「改革」にダマされるな!(関岡英之、和田秀樹)

アメリカ大使館の日本語サイトでも公表されている「年次改革要望書」(日米が毎年互いに出す要望)をもとに、「改革」ならぬ改悪路線を批判する対談の本。医療や教育を中心に、様々な問題について語っている。 マスコミは強い者やスポンサーには弱く、アフラ…

昭和天皇の学ばれた教育勅語(杉浦重剛)

「教育勅語―昭和天皇の教科書」の改訂版。 昭和天皇が中学・高校時代を過ごされた東宮御学問所の、倫理御進講草案の一部。教育勅語を11回にわたって御進講している。それぞれの徳目に関して、歴史上から様々な例をひいて分かりやすく解説している。文語文…

インドネシアの人々が証言する日本軍政の真実

「日本人はとても素敵だった」から始まった、シリーズ日本人の誇り第6弾。 インドネシアの元国会議員、元大使、元中将・元国連大使、元大将、という4人の人々と、デヴィ夫人が、インドネシアの戦前・戦中・戦後を語る。いや戦後と言うのは正しくない。日本…

小学校「国語」副読本(石井公一郎、萩野貞樹)

……これを核として、実際に使用する各学年用副読本六冊を編集する計画であり、その作業もすでに開始しています。さらには、副読本に止まらず、教科書検定に付した上「文部科学省検定済教科書」として、全国小学生の机上に載せることを目指しています。(28…

日本の名著12 山鹿素行(中央公論社)

この本には、山鹿素行の配所残筆、武教小学、山鹿語類(抄訳)の3つが現代語訳のみ収録されている。 配所残筆は講談社学術文庫で読んだばかりだったので、武教小学と、山鹿語類の巻第二十一「士道」だけ読んでみた。しかし、思ったより面白くなく、山鹿素行…

日本の正道(平沼赳夫、正しい日本を創る会)

実はこの本は、正しい日本を創る会の勉強会講義録となっており、それはネットで全て公開されているため、改めて購入する必要はないと思う。確かに参加議員たちの短い文章も読めるが、大した内容は無い。この本を読むよりも、講師となっている伊藤貫氏、関岡…

品格ある日本人を育てた小学国語読本(小池松次)

この本は、最初紹介するつもりはなかったのだが、あとがきを読んで「おっ」と思ったので、やはり紹介させていただく。タイトルで想像がつくが、この本は戦前の小学校の国語教科書を抜粋したものである。ページ数は少なめだ。青の洞門、稲むらの火など、結構…

昭和天皇の研究(山本七平)

非常に興味深い内容で、読んでいてしばしば興奮した(特に二・二六事件の章)。著者曰く、山本七平の天皇論ではなく、昭和天皇の自己規定の研究である。論述の公正さに好感が持てたし、大部分は同意せざるを得ない内容だった。現在は「裕仁天皇の昭和史」に…

明治憲法の思想(八木秀次)

八木秀次氏の著書を読むと、私の場合は8割同意、2割反対くらいになることが多い。それはさておき、この本の内容は目次から分かるように、帝国憲法成立史、及びその思想に関するものが大半で、残りは実際の運用と、昭和期の間違った解釈による問題点などで…

聖教要録・配所残筆 山鹿素行、土田健次郎(訳註)

2001年に講談社学術文庫で出たが、ネットで探したところ、既に絶版のようである。珍しく山鹿素行の本の現代語訳が出たのに、残念だ。これが「中朝事実・武教小学」だったら、もっと売れたかもしれないし、私は欣喜雀躍して購入しただろう。この本は例に漏れ…

天皇明仁の昭和史 高杉善治

「貧しいけれど周囲の愛情に見守られた少年時代。御用掛だけが知る真実。大東亜戦争下、そして戦後の混乱期における今上天皇の唯一の記録。」 高杉善治氏は天皇陛下が小学6年生から高校1年生までの5年間、御用掛などで陛下のお側で務めた人物。戦災や火事…

吉田松陰一日一言 川口雅昭

一日一言シリーズというものがあるらしく、この本も松陰先生の言葉が、一日に一つずつ読めるようになっている。講孟箚記からの引用が多いので、そちらを読んだ人にはお馴染みの言葉も多い。全体的に、知っている言葉や重要でない言葉の割合が多いが、それで…

日本の名著31 吉田松陰(中公バックス、松本三之介:責任編集)

「講孟余話ほか」(吉田松陰、中公クラシックス)と同じ内容に、加えて武教全書講録、異賊防禦の策、要駕策主意などが現代語訳されて収録されている。他に書簡もたくさん載っているが、原文のままである。 どちらも同じ会社であり、この本のほうが古いから、…

SHOWDOWN(対決)―中国が牙をむく日(ジェド・バビン、エドワード・ティムパーレーク)

この本は、中国が台湾、アメリカ、日本などに対して宣戦布告する……そんな6つの短編が収録された小説である。著者は先代ブッシュ政権・国防副次官ジェッド・バビン氏と、レーガン政権・国防総省動員計画部長エドワード・ティムパーレーク氏。二人とも軍事の…

講孟余話ほか(吉田松陰)

講孟余話とは講孟箚記の別名である。この本では抄訳で、書き下し文などは掲載されていない。よって箚記の文庫本・上下巻を読んだほうがいい。この本には他に、将及私言、幽囚録、回顧録、野山獄文稿(抄訳)、丙辰幽室文稿(抄訳)、戊午幽室文稿(抄訳)、…

「日本国憲法」無効論(小山常実)

占領憲法無効論に関しては、日本国憲法失効論(菅原裕)のほうが詳しく書かれているが、この本では日本国憲法成立過程について、中学校教育ではどのように教えてきたか、憲法学ではどのような学説があったか、そして実際はどのようであったのか、という3点…

吉田松陰・留魂録(吉田松陰、古川薫)

吉田松陰の遺書を古川薫が現代語訳したもの。短いので、後半は古川薫が書いた伝記になっている。松陰先生をよく知らない人は、後半の伝記を先に読んだほうがいいだろう。また、留魂録は雑事が多く、興味を引く部分は案外少ない。 帰らじと思ひさだめし旅なれ…

ビギナーズ・クラシックス 今昔物語集

芥川龍之介が小説の題材にしたことでも有名な古典。「ビギナーズ・クラシックス」には詰まらないものもあるが、この本は抜群に面白い。日本最古?の「ウルトラQ」「世にも奇妙な物語」みたいな話もある。読んでからしばらく経つので、細かい内容は覚えてい…

昭和天皇の歴史教科書 国史(白鳥庫吉、出雲井晶)

裕仁親王(昭和天皇)の中学・高校時代に当たる東宮御学問所において使用された教科書である。著者は白鳥庫吉。この本では出雲井晶が口語訳しており、小学生でも読めるかもしれない。 神代から明治までの日本通史であり、出雲井晶による後書きで、わずかに大…

日本国憲法失効論(菅原裕)

今日は占領憲法施行60周年です。世間では憲法改正(あるいは同じ意味だと思われるが新憲法制定)が当然の路線であるかのように言われていますが、はっきり言えば、私は改憲反対です。憲法改正(及び新憲法制定)に断固として反対します。 この本の著者は東…

丸山眞男と平泉澄(植村和秀)

まず言っておかねばならないのは、私はこの本をちゃんと読んでいないということだ。面白くないし、読みづらい感じだったからだ。 植村和秀は丸山真男と平泉澄の両者に敬意を持つ珍しい人で、他にこの二人を氏と仰ぐ人物は小室直樹くらいではないだろうか。著…

「現人神」「国家神道」という幻想(新田均)

昨日述べたとおり、国家が神道を保護したのは明治4年ごろまでで、それ以後は保護せず、それでいて宗教的行為を認めなかったため、宗教的にも財政的にも神社は苦しめられました。官国弊社も例外ではなく、保護されたのは伊勢神宮と靖国神社だけです。ところ…

国家神道とは何だったのか(葦津珍彦)

人権擁護法案マガジン第177号(7月7日発行)を加筆、修正。 明治維新は王政復古であり、神武創業に還り祭政一致を方針としました。政府は神仏分離を行ない、それが民間で廃仏毀釈となりました。そうして国家神道が誕生したかと思いきや。やがて薩摩(親・神…