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君たち、どうする?(小野田寛郎)

 小野田さんが主催している小野田自然塾や、小野田さん自身のことがよく分かる、非常に多くの示唆が含まれている本。自然塾や子供の頃の小野田さんの話から、教育はどうあるべきかということが実践的に明らかになっている。
 例えば小野田さんの母が、万が一にも小野田さんが腹を切った場合は、自分も死のうと覚悟して彼を叱ったという話が出ている。これなどは教育の極致である。父でも母でも、このような教育を行うのならば、子どもは立派に育たぬはずがない。気迫と情熱こそ教育の肝であり、規範生成に不可欠なものだ。思わず吉田松陰や彼の叔父を連想してしまう。
 自然塾は危険と隣り合わせの、まさに自然の中での厳しく楽しい(矛盾はしていない)短期間のスクールである。ここでしかできない体験というものがある。巷に溢れている、単に「自然と触れ合おう」という趣旨のキャンプではない。まさしく人間も自然の一部であり、同時に文明がなければ今の人間は生きていけない、社会があり、その上に現代の文明があるからこそ生きていけるということが、大自然の中に入ると実感されるのである。中野学校と戦場で培われた、小野田さん特有の理想主義と現実主義の両立が、このキャンプではうまくいっているようだ。子供たちの生きる力は、間違いなく刺激され、伸びていく。小学生くらいのお子さんがいる方は、小野田自然塾について調べてみてはいかが。

君たち、どうする?

君たち、どうする?