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小学校「国語」副読本(石井公一郎、萩野貞樹)

……これを核として、実際に使用する各学年用副読本六冊を編集する計画であり、その作業もすでに開始しています。さらには、副読本に止まらず、教科書検定に付した上「文部科学省検定済教科書」として、全国小学生の机上に載せることを目指しています。(288P)

 これは戦前の国語教科書を編集した本ではない。萩野貞樹氏がかつて「感動を教えてくれた国語教科書」をまとめたことからも分かるように、この本は戦前の教科書も踏まえつつ、21世紀日本の国語教科書のあるべき姿を模索したものである。
 その内容はと言えば、唱歌、古典、偉人伝、和歌、俳句、論語など漢文、漢詩、神話や宗教の話(神道、仏教、キリスト教など)、といったものが目立つ。文字通りの古今東西だが、日本の国語教科書である以上、東洋が多く、副読本であるから古典が多い。
 しかし、実際に副読本を超えて「文部科学省検定済教科書」を作成する場合は、私が考えるに、半分くらいは他の教科書と同じような内容になるだろう。なぜなら、副読本は現在の教科書と足して2で割れるように、古典の比重が大きい。しかし副読本なしで「新・国語教科書」を使用する場合は、最初から平均でなければならないから、普通の小説というか物語や、説明文が半分くらいになるだろう。
 さて、普通にこの本を読めば、とても子供に教えられるような易しい内容ではない。ほとんど不可能に思える。しかしながら、子供の理解力・吸収力は、大人の想像を遥かに超えているという。そこで、幼いうちから難しい漢字や文語文、漢文(中国語にあらず)を教えるというわけだ。そうすれば、大人になった際に素晴らしい文章力や説明力が身につくはずだ。先日、「閉ざされた言語空間」という本で有名な江藤淳の本を少し読んだが、戦後の国語教育がダメだから、文章力も説明力も思考力もない人間ばかりになったという話があった。
 この本は、大人でも繰り返し読んで頭に叩き込んでおきたくなる、名言・名歌・感動的な話が多い。ただ難点として、恥ずかしながら意味がよく理解できない和歌や俳句、文語文・漢文が多かった。もしこの本を子供に読ませようという方は、ご自身も一緒に勉強しなければならないかもしれない。

小学校国語副読本―英才を育てるための

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