徳川家康(松本清張、講談社火の鳥伝記文庫)
講談社火の鳥伝記文庫は子供向けの伝記シリーズである。しかし大人が読んでも学ぶべき点は多く、手軽に読めるという利点もある。特にこの松本清張が書いた「徳川家康」は、ページ数も多く読み応えがあった。
いかにして、空前絶後の平和な徳川時代は築かれたのか? 徳川家康の生涯を通して、日本の歴史が見えてくる。登場するのは信長、秀吉をはじめとする有名な武将ばかりだ。これを料理するのは松本清張、面白くないわけがない。改めて家康のことが好きになった。彼の居城は浜松城であるが、我らが人権法案反対派の代表的人物・城内実先生にも、あのような大人物となってほしいと思う。明治維新の時代、多くの若者が政治権力者となったが、一方で家康のように年をとってから政権を握った人もいる。城内先生が後者であるなら、まだまだ今は成長過程ということになるが、一方で維新期のように、このような若い人物に一度政治を行ってほしいという気もする。人が時代を作る、しかし人を作るのもまた時代である。やがて戦国時代や幕末明治のように、偉大な政治家、軍人が輩出する時が来るだろう。
- 作者: 松本清張,木俣清史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1982/09/30
- メディア: 文庫
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