人権擁護法案マガジン・ブログ版

人権擁護法案マガジンのブログ版です。人権擁護法案反対VIP総司令部まとめサイトはこちら http://zinkenvip.fc2web.com/

毎日新聞、人権法案に関する新たな社説を発表

毎日新聞 社説:人権擁護法案 公権力の侵害救済策が先だ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080214k0000m070140000c.html

 ……自民党の人権問題等調査会が13日、党内調整に向け本格的な議論を始めた。鳩山邦夫法相は「白紙から出直したい」と意欲を見せ、党の議論を踏まえて法務省が法案を作り直す意向を示した。
 それでも過去の法案がベースになるのは間違いないだろう。私たちはこれまで、法案が想定する「人権」の範囲があいまいで拡大解釈される恐れがあり、とりわけメディアを規制対象とすることは表現・報道の自由を著しく制約するとして反対してきた。そうした欠陥が放置されたままでは、新たな法案ができても到底容認するわけにはいかない。
 そもそもこの法案が作られたのは、国連の規約人権委員会が98年、日本政府に、刑務所などでの公権力による人権侵害を懸念し、独立した人権救済機関の創設を勧告したのがきっかけだ。
 このため独立行政機関として人権委員会を設置するのが法案の柱になったが、事もあろうに人権委を刑務所などを所管する法務省の外局に置くとした。法務省人権擁護局の職員を人権委の事務局に充てようという思惑だが、これでは身内の人権侵害に十分対応できるのか、大いに疑問がある。
 また公権力による人権侵害の救済が主眼のはずなのに、法案は報道機関の取材・報道による人権侵害も同列に救済対象とし、人権委の調査を可能にした。これを許せば取材・報道への威圧となり、特に政治家や公務員の不正を暴く調査報道には打撃となりかねない。……
 さまざまな論点で批判の多い法案である。なぜ法案が必要とされたのか、今後はその原点に立ち返った議論を求めたい。何よりも公権力による人権侵害をいかに救済するかを最優先する必要がある。
 法務省によると、06年に法務局などが人権侵害調査を開始した総件数は2万1000件余で、そのうち報道関係が9件に対し、公務員関係は2289件に上り、公権力による人権侵害がいかに多いかを物語る。しかし、刑事事件に発展するごくわずかを除き、救済が一向に図られない現状を関係者は認識すべきだ。