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日本の名著12 山鹿素行(中央公論社)

 この本には、山鹿素行の配所残筆、武教小学、山鹿語類(抄訳)の3つが現代語訳のみ収録されている。
 配所残筆は講談社学術文庫で読んだばかりだったので、武教小学と、山鹿語類の巻第二十一「士道」だけ読んでみた。しかし、思ったより面白くなく、山鹿素行の武士道に関しては、平泉澄先生の「武教小学講話」や吉田松陰先生の「武教全書講録」のほうが分かりやすい。それぞれ、平泉澄「先哲を仰ぐ」、「日本の名著31 吉田松陰」(中央公論社)に収録されている。どちらも現代語なので読みやすい。
 さて、この本の解説文に、本居宣長の思想についても触れている箇所があったが、

……天照大御神の詔にも、悪い天皇であるならいうことをきくな、とはいっていないのであるから、よかろうが悪かろうが、横合いからすきをねらって(註:皇位を)簒奪したりすることはできず、天地とともに、日月の照らすかぎりは、何万代を経ても動くことのない大君なのである。それゆえ、古典にも当代の天皇を神といっている。事実、神なのであるから、よいとか悪いとかとやかくいわず、ひたすら畏(おそ)れ敬って仕えるのが、まことの道なのだ。(37ページ)

と言っており、崎門の学者や松陰先生と共通している。私の想像以上に、宣長は国体論者のようだ。