日本の正道(平沼赳夫、正しい日本を創る会)
実はこの本は、正しい日本を創る会の勉強会講義録となっており、それはネットで全て公開されているため、改めて購入する必要はないと思う。確かに参加議員たちの短い文章も読めるが、大した内容は無い。この本を読むよりも、講師となっている伊藤貫氏、関岡英之氏、櫻井よしこ女史、大原康男氏、中西輝政氏らの著作を読むほうが有益だろう。
講義録は以下で読める。
http://www.tadashii-nippon.org/stu/stu-in.html
伊藤貫氏の著作は今のところ「中国の核が世界を制す」だけのようだが、これはとてもお勧めである。中国問題や核武装議論の前提とすべき一冊だ。
関岡英之氏は年次改革要望書の存在を知らしめた作家で、「奪われる日本」などを書いている。同じテーマの本が多いようだ。
櫻井よしこ女史の本は、実はあまり読まないので知らないが、GHQの「真相箱」を復刻して解説をつけている。メインの仕事は雑誌の記事を書くことのようだ。
大原康男氏の本では「教育勅語」を読んだことがある。なかなかお勧め。他に靖国問題などの本を書いているようだ。
中西輝政氏が最近出した「日本人としてこれだけは知っておきたいこと」(まあ1年前だが)は、あまりお勧めできない。タイトルと比べて、内容は薄めだ。「これだけは」と言うからには、平泉澄先生の「物語日本史」くらいの濃さか、福沢諭吉先生の「学問のすすめ」、小室直樹先生の「痛快!憲法学」くらいの分かりやすさが要求される。この人の本は、読んでないが「大英帝国衰亡史」がよさそうだ。山本七平賞などを受賞している。
「保守派」の人々の論調で危惧しているのは、歴史とは近現代史だけなのか?ということ。「東京裁判史観」「自虐史観」は確かに近現代史、特に昭和前期に焦点が置かれているから、仕方ないが、問題はそれだけだろうか。そういう史観を利用している勢力は、だいたいが赤で、歴史全てがマルクス主義史観=唯物史観=階級闘争史観なのである。そしてコミンテルン的反皇室思想で貫かれている。よって歴史教科書を見ると、近現代史以外も滅茶苦茶である。まあ確かに、近現代史以外の部分は描き方の問題であって、事実関係の論争は少ない、ということかもしれない。
- 作者: 平沼赳夫,正しい日本を創る会
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