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小室直樹について・その4 日本は滅びる・後半

対談 小室直樹 日本は滅びる
http://netcity.or.jp/OTAKU/okada/library/books/mazime/No6.html

歴史を学ばない日本には、保守主義はありえない

(中略)

  • 小室 というか、「伝統主義」が強すぎるんです。保守主義って言うのは、単に伝統を守るっていうのじゃなしに、これはよい伝統だから守る、これは悪い伝統だから廃止するということです。今までやってきたことがなんとなく正しいと思ってるのは保守派じゃないんです。
  • 岡田 なるほど。
  • 小室 ところが「伝統主義」っていうのはそうじゃなくて、よい伝統でも悪い伝統でも、既に過去において行なったことをそのまま立たせてきたんです。それが一番はびこっているのが金融業界です。本人たちは犯罪だと思ってやるんじゃなく、今までやってきたことは正しいと思ってやってるうちに、大変な犯罪になる。こういうのは「伝統主義」であっても、伝統の選択でないんです。保守主義は、伝統の選択がなかったら出てきません。
  • 岡田 その選択をする時の価値のベースって何になるんですか?
  • 小室 価値合理的もしくは目的合理的であるか、あるいは自分の国の歴史に対する反省、そういうのが保守主義のモデルです。いまの日本人は全然歴史の勉強をしないし、歴史を知らないから保守主義ってあり得ません。
  • 岡田 では、それに対抗する革新っていうのを仮定するとすれば、先生がおっしゃった多元的な階層、価値の育成などを目指して、現在ある義務教育制度であるとか、官僚制度の撤廃っていうのを、かなり徹底的に目指したものなんでしょうか?なんて言うのかな、アメリカの民主党的なやり方とでも言いますか、国民なりの自由競争って言うんですかね、強化した形で。
  • 小室 そうですね、自由競争の強化って言うと、規制撤廃ですよ。規制撤廃って言ったら、資本主義に帰れって言うんですよ。

(以下略)
(VIPまとめより)
と言っても、小室先生はまず腐朽官僚制を何とかするのが先だという考えだろう。官僚の経済支配こそ、最大の規制だからだ。

教育マニュアルに正解はあるか

(中略)

  • 小室 十年ちょっと前にですね、私は『あなたも息子に殺される』という本を書きました。日本の心理学者、教育学者に挑戦したんですけども、かなり反響が多かったんですね。これは学術書として書いたつもりなんですけどね、いろんな人から質問受けました。「うちの息子に殺されそうなんですが、どうしたらよろしいでしょうか」に対して第一番目の答えは「潔く殺されなさい」。そうすると「殺されるのはいやだ」と言うから「先手打って殺しなさい」と。
  • 岡田 やっぱりそうですよね(笑)。
  • 小室 というのは、まず医者に連れてくんですよ。どの医者が診ても異常なしでも家に連れて帰ると、家庭内暴力を振るう。ますますひどくなる。それは、日教組が影響していると言う人もいます。日教組は「日本の過去は汚辱の歴史である」と教えたので、日本人は連帯を失ってアノミー(無連帯)が広がっていったのです。アノミーにかかると、精神に異常のない人でも、狂者よりも狂的にふるまうようになるのです。

(中略)

  • 小室 公的教育機関のおそろしさは、教育が「型にはまった仕事」(routin work)になることです。これが致命的(fatal)です。思春期の青少年の心は疾風怒濤で日に夜に激動しています。それをルーティン・ワークでおさえつけるなんて猛獣を小さな木箱に押し込むような話ではありませんか。無間地獄です。阿鼻叫喚の叫びをあげても当然です。ゲーテは「すべて偉大なものは青春に生まれる。その後の生涯は注釈である」とまで言いました。昨日までは平凡な青年が飛騰して、世界史的偉大な人物となることも可能です。たとえば坂本龍馬がそうでしょう。青年はそれだけの偉大さを秘めているのです。沖天するエネルギーを持っているのです。その偉大さ、エネルギーを育ててくれないで、押し殺してしまうのがルーティン教育なんです。

(VIPまとめより)
ルソー曰く、青春は第二の誕生。さて、私は持っていないけれど、小室先生は「親子関係は親分と子分だ―息子(娘)に脅える親に告ぐ」という本で「うちの息子に殺されそうなんですが、どうしたらよろしいでしょうか」に対して回答しているようだ。そもそも家庭内暴力の場合、子供の暴力に親が屈するから悪いんだと思います。

ツケが回ってきたような気がする

(中略)

  • 小室 今の若者っていうのは本当もう、悩みなんてなまやさしいもんじゃなくて、生きる目的失ってるでしょ。たいがい目なんかどんよりしています。戦争中、明日の生命も知らない若者の目は輝いていました。敗戦の焼け跡に立った若者も元気でした。昭和三十年代には、みんな貧しかったのですが、なにかこう明日によいことが起きそうな気がしていました。その後、豊かになるのに反比例するように希望が消えていったのでした。

(以下略)