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小室直樹について・その1

 私が小室直樹を知ったきっかけは覚えていないが、平泉澄先生の物語日本史を読んだ後、小室直樹の「日本国憲法の問題点」と、次に「痛快!憲法学」を読んだ。そして彼が平泉澄を大変尊敬していること、物語日本史を推薦の書としていることに運命を感じた(というと大げさだが)。


 小室直樹 (こむろ なおき、1932年9月9日-) は、京都大学理学部数学科卒業、大阪大学大学院経済学研究科進学。高田保馬らのもとで理論経済学を研究。ポール・サミュエルソンのゼミに入る。1963年、東京大学大学院法学政治学研究科進学。丸山眞男が指導教官となり政治学を学ぶ。また大塚久雄の近所に引越し、直接マックス・ヴェーバーについて学んだ。1972年、東大から「選挙区の特性分析」で法学博士号取得。(以上、ウィキペディアより抜粋。)
 小室直樹はあらゆる学問、思想を学んで、「学問の節目を糺し候事が誠に肝要にて……尊皇攘夷の四字を眼目として、何人の書にても何人の学にても其の長ずる所を取る様にすべし」(吉田松陰)という、言ってみれば松陰門下の一人である。いかに松陰を尊敬しているかは「歴史に観る日本の行く末」を読むと分かるが、以下のようにも言っている。


小室直樹さん 資本主義国になれないニッポン前編
http://miyaneta.exblog.jp/2055697/
一部引用

 小室さんに、まずは、人生最初ともいえる幼児の頃の読書体験からお伺いしてみました。
「子供のときから読み続けてきたのは吉田松陰ですね。松陰の本で、一番最初に読んだのは、講談社のキンダー・ブック・シリーズにあった伝記の絵本です(笑)。その後、松蔭の本を読み続けていますが、彼の著作はどれも素晴らしい。特に、孟子について書いた『講孟箚記』は、聖人にこびることなく、いいところも悪いところもきちんと論じている。松陰の生きた幕末の知識人たちは、幕府の“御用学”であった朱子学の影響でみんな中国かぶればっかりで、彼のリベラルな思考というのは際立っていますよ」
 学生時代は、どんな本を読んでいたのですか?
「偉い先生が薦めてくれた本を、一所懸命読んでいました」
 小室先生にとっての偉い先生というと、どんな方々になるのでしょうか?
高田保馬先生、森嶋通夫先生、大塚久雄先生、川島武宜先生といった方々です。中でもとりわけ一所懸命読んだのは、この4人の方々が熱心に読まれたマックス・ウェーバーですね。ウェーバーの業績は、強調してもしすぎることはないくらい偉大です。」

小室直樹はすごい経歴の持ち主だが、「わかりやすい文章と充実したふりがなで、中学生にも無理なく読め」る本(「日本人のための宗教原論」の広告より)を何冊も、何十冊も書いている。松下村塾のような学校は作らなかった代わりに、本を書いて教育しようというわけだ。東大で博士号をとったが、教授はしていない(過去にしていたかもしれないが)。


小室直樹の出演したテレビ番組を見ることができる。
http://www.tkfd.or.jp/division/public/nation/ibunka2.shtml#10


小室直樹さん 資本主義国になれないニッポン後編
http://miyaneta.exblog.jp/2055706/
一部引用

 ここ数年、小室さんは、社会学者としての発言を控えているような気がするのですが?
「私の予言が当たり、日本の状況があまりにも悪くなりすぎて何も言う気が起きんのですよ(苦笑)」
 日本のアノミーは、ますますひどくなっていますか?
「深刻な状況であることは少しも変わりませんが、今は、一見、鳴りを潜めているように見えますね。ただし、兆候は出ています。現在、不登校児、ひきこもりと呼ばれるものは、アノミーそのものです。今後、ますます、ひどくなっていくでしょう」
 どうすれば解決することができるのでしょうか?
アノミーの問題の恐ろしいところは、次々に波及していくことです。教育制度を変えることが有力な解決手段であることは間違いない。今、日本の文部行政は完全に迷走していますが、まず、科挙制度に依拠した現状のシステムを根本的に変えることからはじめなければなりません。本当の教育とは一体何なのかと」

「歴史に観る日本の行く末」にある通り、本当の教育とは吉田松陰である。さて、アノミー予言は外れればいいが、当たったとしても小室直樹ファンとしては、ある意味嬉しい。いやしかし、小室先生の言うとおりアノミーが進行していけば、「何も言う気が起きん」状態になるだろう。