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七人の侍(★★★★★)

http://www.youtube.com/watch?v=vm6Cwofh_y4
この予告編はネタバレを含むため、未見の人は見ないようにアドレスだけ書きました。


おすすめ度★★★★★(5段階)
1954年、東宝製作。監督:黒澤明、音楽:早坂文雄、出演……菊千代:三船敏郎、勘兵衛:志村喬、久蔵:宮口精二、勝四郎:木村功、五郎兵衛:稲葉義男、七郎次:加東大介、平八:千秋実、利吉:土屋嘉男、長老:高堂国典


ストーリー:時は戦国、野武士に米や麦を略奪されている村が、今年はもう勘弁ならねえと侍を雇って戦うことにした。だが、侍に渡せるものは米だけ。米だけで雇える侍なんているのだろうか。いるわけねえが、探すしかねえ、利吉たち百姓は町へ向かった。そして最終的に七人の侍を雇うことができた。さあ野武士と決戦だ。敵は四十騎、こっちは七人+百姓軍団だ! この七人、あまりヒーローっぽくないキャラで(特に三船の演じる菊千代)、それが戦のシーンになると一変してカッコよくなるのだ(侍だから戦いの中でこそ輝く)。最後の決戦はどしゃぶり。雨と泥と汗と血と……。そしてラストシーンへ。
笑いあり、興奮ありの3時間半、あっという間に終わる。DVD(レンタルあり)で字幕ありで見ることをおすすめします。字幕がないと台詞の半分以上は分かりません。
ストーリーは誰にでも分かるものだが、適度に重い。そして大迫力の野武士との戦い。娯楽超大作とは、こういう作品を言うのだ。米だけで雇われた七人の侍を、馬鹿な男たちと見るか、それとも本当の武士と見るか、それは見た人の価値観次第だ。この映画の最後の台詞は、どちらとも受け取れるものであり、解釈は見た人次第。だが、馬鹿な奴らだと感じたなら、この映画は傑作だ、とは思わないんじゃないか。黒澤映画最高傑作。観客動員700万人を記録。ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞。


三船敏郎の菊千代は、彼の演じたキャラクターの中で最も魅力のある人物であり、七人の侍のリーダーではないが、最も存在感のある侍だ。勘兵衛は志村喬のキャラクターの中では、最も魅力があるが、演技については「生きる」もかなりよかった。確実に言えるのは、菊千代も勘兵衛も、この二人でなければ演じられないキャラクターだということだ。他にも宮口精二の久蔵のカッコよさ、土屋嘉男の利吉の野武士に対する憎しみなどは、何とも言えない魅力を持っている。菊千代はピョンピョン飛び跳ねるし、変な笑い方をするし、とにかく変人である。だが意外と強いし、優しいところがある。なんだかんだで頼りになる男、侍の中の侍だ。でもいじられキャラ。一方、久蔵は三十郎にも通じるような、最強の侍だ。勘兵衛は強さ以上に、知力と統率力を持っている。参謀のような存在が五郎兵衛と七郎次で、平八は薪割流の使い手。勝四郎は少年だが途中で大人に(笑)。利吉は野武士が憎くてしょうがない百姓、血管が頭に浮き出ていて、土屋さんが心配になってくる(これ、彼のデビュー作)。


あわせて利吉を演じた土屋嘉男の「クロサワさーん!」という本も読むといいと思います。この本は半分くらいが七人の侍時代のエピソードで、とても面白い。七人の侍を見た後に読み、読み終わったらまた見る、あるいは読みながら該当するシーンを確認する、などいろいろな楽しみ方ができます。
昨年NHKで放送されたアニメ「サムライ7」は、見るなとは言わないが、それほど面白くはない。ただ、先に映画を見てからにしてほしい。なんかもう、話もキャラクターも全然違うから。もちろん同じところはあるんだけど。勘兵衛と久蔵が変。それに全員、超人だし……。