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生きる(★★★★★)


おすすめ度★★★★★(5段階)
1952年、東宝製作。黒澤明:監督、早坂文雄:音楽。出演:志村喬小田切みき
東宝創立20周年記念作品。ベルリン映画祭銀熊賞


ストーリー:余命半年ということを知る、ある公務員。彼はこれまでの自分のくだらない仕事を思い返し、残りの人生をどうするか考えるため、街に出る。だが、答えは見つからない。ただ街で遊ぶ彼。このまま死を迎えてしまうのか? 朝、家の前で彼は同僚の女性と出会う。彼女との短い付き合いの中で、遂に何をしたいかがはっきりする。とても小さくて、価値は大きいこと。


衝撃的な展開と、何ともいえぬ感動が見る者を驚嘆させる。これほど明確に「生きる」意味を描ききった作品はない。武士道にも通じると同時に、人間にとって普遍的な価値観でもある。「七人の侍」と並ぶ黒澤明最高傑作。


一時は黒澤明の家に住んでいたほど、黒澤監督と親しい俳優の土屋嘉男は、著書(クロサワさーん!)でこう語る。「黒澤作品のすべては、まずこんな具合(註:七人の侍)に、常に音楽が先行していた」この映画では「ゴンドラの唄」が効果的に使われている。


酔いどれ天使、醜聞などで名演した志村喬は、この映画で頂点を迎える。そして七人の侍ゴジラで印象的な役を演じ、その後も黒澤映画や「地球防衛軍」などの特撮映画に多数出演、三船敏郎とともに日本映画を代表する顔となる。本当に「顔」からして存在感があり、その上これほどの演技力を持っているのだから、日本一の役者と言っていいだろう。